太り過ぎを引き起こす原因は遺伝その他です。

太り過ぎの原因については,実際『当惑させられるほどたくさんの相矛盾する意見』が出されています。
問題は単にカロリーに関するものであり,多くカロリーを取ればそれだけ体重が増えると主張する人が少なくありません。
しかし,いつもそうであるとは限りません。
非常に活動的な生活を送っていたり,激しい肉体労働に従事していたりするために,かなりの量を食べても太らない人もいます。
著名な外科医であるW・A・ノーレン博士が語っているとおりです。
「新陳代謝(この語は,われわれの体組織の形成と破壊という,継続的に行なわれる二過程を表わすのに用いられる)に関しては,個々の人の間でさまざまに異なる。
いくら食べても体重が少しも増えそうにない人のいることは,だれもが知っている」。
それでも,最近なされた幾つかの発見は,問題をつまるところ次のことばで要約しているようです。
『太っている人は,自分が空腹である時を知らず,また自分が満腹である時を知らない』。
ある場合には,空腹感や飽満感を支配する視床下部の神経中枢に原因があるのかもしれません。
宦官や去勢された動物が太りやすいことからして,男性ホルモンの欠乏が人を太らせるものと考える人もいます。
明らかに,遺伝は一つの要素となっています。
たとえばロンドンのある研究班は,両親がそろって標準体重の家庭では,太り過ぎの子どもは10%以下しかいないことを突き止めました。
しかし,両親がともに肥満体である場合には,子どもの80%までがやはり太り過ぎています。
これが単に食習慣によるものでないことは,実験によって確かめられています。
また,子どもの時分に標準より多くの脂肪細胞が造られたり,普通より大きな脂肪細胞が形成されたりすると,年を取るにつれて肥満体になる傾向があることも,幾つかの医学研究によって示唆されています。
そうなると,どんなに食餌療法をしても,この問題からは解放されません。
ですから中には,太り過ぎの問題を制御することはできても,完全に直せない場合があるわけです。
また,精神的な要素も関係しています。
抑圧感を感じたり,欲求不満になったり,落胆したり,退屈したり,寂しかったりするために,また時にはただ怠惰であるというだけで,必要以上に食べることがあるかもしれません。
それに,食べるということは楽しい活動です。
そして太っている人は,こうした楽しみに引かれやすいものです。
たとえば,ある調査の示すところによると,標準体重の人の食習慣は一般に空腹感とか必要感などといった内的要因によって支配されています。
しかし,太っている人の食習慣は非常に多くの場合,食べ物の外見とかにおいとか味などのような外部的要因によって支配されています。
また年を取るにつれて,わたしたちの必要とする食物は少なくてすむようになりますが,食欲は以前と同じままです。
年を取るにつれて体重が増えることは,広く一般に見られているとはいえ,健康上好ましくありません。


posted by Yy at 14:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | サイエンス
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